口腔外科|口腔内の前癌病変

口腔内の前癌病変

白板症

舌の右側に肥厚した白色の病変を認めます。これは白板症と呼ばれる粘膜病変で、症状はほとんどありませんが、その7~8%が癌化するといわれています。白板症において最も心配されることは、知らないうちに癌化し手遅れになることです。白板症が発見されたならば、口腔外科専門医の下で組織検査を行うなどして定期的に経過観察を行うことが重要です。専門医はであれば、癌化を見逃すことはなく、たとえ癌化しても超早期発見となりますので生命に影響を及ぼすことはありません。

白板症の症例
白板症の症例

扁平苔癬

頬粘膜に白い線状の病変が認められます。これは扁平苔癬とよばれる粘膜病変です。赤みを帯びるとしみる場合がありますが、通常はほとんど症状はありません。免疫反応が関係しているといわれるものの原因はいまだ不明で、完治しがたい病変です。対症療法として副腎皮質ホルモン剤(ステロイドホルモン剤)が使われます。ごくまれにこの病変から癌が発生することがあり(前記の白板症より低い確率)、前癌病変のひとつとして取り扱われています。

扁平苔癬の症例
扁平苔癬の症例

上にもどる