市民新報コラム

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寿命の数値 (2014年11月)

一般的に「平均寿命」が国の医療水準を示す指標になっていますが、その他にも「平均余命」「健康寿命」があります。

平均寿命とは0才の子供の平均余命のことです。現在、男性の平均寿命は79・29才、女性は86・09才で、日本は世界有数の長寿国となりました。

平均余命とは、ある年齢の人々が、その後何年生きられるかとの数値のことです。例えば、50才の平均余命は男性31・21年、女性は37・34年です。70才ですと男性14・84年、女性19・29年です。80才では男性8・49年、女性11年ですから、80才まで生きた方は平均寿命を超えて、男性では88才、女性では91才まで長生きされる可能性が大きいわけです。ただし、平均余命は現在の死亡率から計算しますので、多くの方がお亡くなりになるような戦争や疫病が生じれば、大きく変わります。

また、健康寿命という数値もあります。健康寿命とは日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことです。WHOが2000年にこの言葉を公表しました。平均寿命から介護期間を引いた数が健康寿命になります。2004年のWHO保健レポートでは、日本人の健康寿命は男性で72・3才、女性で77・7才、全体で75・0才であり、世界第一位です。別途のデータですと、健康寿命は男性71・4才、女性は75・8才、不健康寿命は男性7・89年、女性10・01年となっています。当然、長寿は素晴らしいことなのですが、できることなら、なるべく不健康寿命の期間が短い生活を送れることが一番幸せです。機能的な自立が不可欠です。

私たち歯科医師も8020運動において80才で20本の歯を残そうということを提唱していますが、これはたんに歯が残ればいいということではなく、お口が健全に機能して、おいしい食生活やお話することでの精神的・全身的健康の獲得などを目的としており、健康寿命の一助となればとの願いなのです。

(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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