市民新報コラム

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ご先祖さまの教え (2020年9月)

三陸地方には地元に伝わる「津波てんでんこ」という言葉がありました。 津波が来たら命を守るために各自ばらばらに一人で高台に逃げなさいと言う意味です。この言葉を知っていた人々はそのように逃げて多くの命が救われました。なかなか、ワクチンや効果的な治療薬は未完成で「ウィズ コロナ」の時代になりました。私はこの時代こそご先祖さまの教えだと思います。

昔、歩きながら食べることはマナー違反でしたが、アメリカ文化の浸透、ファーストフードの出現と共に日常風景となりました。子供の頃、家に帰ると「手を洗い、うがいをする」ことは日常でした。 祖父に「百回、咬みなさい」などと言われましたが、よく食べ物をかみ砕くことは唾液の分泌を促します。唾液には免疫物質や若返りのホルモンなど様々なカラダに良い物質が含まれています。また時間をかけた食事は程よい満腹感をもたらしますから、「腹八分に医者いらず」になるわけです。肥満を防ぐこともできます。「早寝早起き病知らず」という言葉もあります。深夜におよぶ飲酒やゲームがカラダに良いわけがありません。健康には規則正しい生活が必要です。規則正しい食事や睡眠、運動、散歩は免疫力アップにつながります。
「お天道様が見ている」という言葉もあります。人が見ていないと思って悪事を働いてはいけませんし、また人に感謝されなくとも自分の良心に従い、行動や生活をする日本人の規範のような言葉です。東日本大震災の時も諸外国での災害時のような略奪やゼロとは言えませんが盗みも少なかった。良心に基づいた行動規範や惻隠の心を以って人と接しているとたとえ、感謝の言葉がなくても気持ちの良いものです。たまっていた自分の中のストレスを吹っ飛ばしてくれます。

精神的なストレスは自律神経に悪影響を及ぼしたり、ストレスに起因する事象は免疫力も下げてしまいます。この時代だからこそ古来からの健康の言い伝えを大切になさるのはいかがでしょうか?

(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬 武史)

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